JA/

2020年のサステナビリティ・デーを記念し、LuisaViaRomaはファッション界におけるサステナビリティの成長と成功を振り返ります。サステナビリティ・デーは、毎年10月の第4水曜日です。つい数年前までは、環境に配慮した持続可能な新しい方法でアプローチしようとするブランドはほんの僅かでした。今やラグジュアリーファッションにおいてサステナビリティは基本的なテーマであり、多くのブランドやデザイナーがサステナビリティに関する特定の規制に準拠した新しい方法を採用しています。エコレザー、リサイクル&アップサイクリング、廃棄物ゼロを目指す生産、ラグジュアリークラフトマンシップ、社会的責任への取り組み、団体への寄付など、ファッション界はサステナビリティへの取り組みに力を注いでいます。

LVRSustainableセクションでは今回、サステナビリティに取り組むラグジュアリーブランドへのインタビューを行いました。サステナビリティの価値や未来、そして私たち一人ひとりが環境にポジティブな影響を与えるために何ができるのかを語ってくれた特集をご覧ください。
#LVRSUSTAINABLE

LVRSustainable 2020年サステナビリティの日 - 1

ブランドにとってサステナビリティとは何ですか?
サステナビリティは私たちのブランドの中核となっているとても重要な部分であり、利益を考える前に、可能な限り持続可能なアプローチで取り組むというビジョンを持っています。生地を選ぶときは安くてベストなものではなく、最もサステナブルでベストなものを選びます。サプライヤーを選択する際は速さや安さを求めるのではなく、どれだけサステナブル関連の認証を持っているかを重視します。ファッション界でまだ珍しいことだとは思いますが、私たちのブランドにとっては大きな価値を与えるものとなっています。

ラグジュアリー業界におけるサステナビリティの将来をどう考えていますか?
サステナビリティという要素が、将来的にすべての決定の論理的な部分になることを願っています。ただ変化には時間がかかります。変化することへのジャッジや非難ではなく、お互いに知識を与え合いサポートしていく必要があると思います。また人々は物事に対する透明性を求めていると感じています。多くの企業が生地がどのように生産されているのか、工場で何が起きているのかなどを分かっていないので、これはサプライチェーンを検討しなければならない大きな理由になると思います。最終的に出来上がった製品だけでなく、サプライチェーンにも目を向ける必要があります。このサプライチェーンがサステナブルでなければ、ラグジュアリー業界は将来的にラグジュアリーとして受け入れられないと思います。モノをつくる人たちが公正な報酬をもらい、使用されている原材料が有害でないことを保証できない高価でラグジュアリーな製品を人々は望まなくなるでしょう。このような意味からも、透明性は将来とても重要になると思っています。

個人レベルでは、私たち一人ひとりに何ができるのでしょうか。
正しい方向へのステップは、小さくてもすべてが重要になります。自分の行動一つで何が変わるのか、と思っている人が多くいることは分かっていますが、0か100かで考えるのではなく、視野を広げてもっと全体的に見ることが大切だと思います。

LVRSustainable 2020年サステナビリティの日 - 2
LVRSustainable 2020年サステナビリティの日 - 3

ブランドにとってサステナビリティとは何ですか?
Marina Raphaelのコアバリューは、時代から時代へと受け継がれる投資ともいえるハンドバッグを生み出すことにあります。熟練した職人たちの手によってフィレンツェで誕生するそれぞれのハンドバッグは、最高の品質基準を満たすよう、細心のケアのもと制作されています。またすべてのマテリアルを厳選し、主に生分解性の素材を使用することを優先しています。ブランドのもう一つの重要なアイデンティティとなっている部分が、余ったマテリアルをリサイクル&アップサイクリングし、廃棄物をほぼゼロにしようと取り組みです。

ラグジュアリー業界におけるサステナビリティの将来をどう考えていますか?
サステナビリティの未来は、量よりクオリティに焦点を当てた、新しい考え方にシフトすることにかかっていると思います。じっくりと考え、本当に好きなものだけを選ぶ生活が大切だということを私たちは理解し始めていると思います。将来的にはこういった考え方が普及し、意識を持ったショッピングを行い、徐々にファストファッションから離れていくだろうと信じています。

個人レベルでは、私たち一人ひとりに何ができるのでしょうか。
私たち一人ひとりができることは、商品を購入する前に知識を身につけ、買う商品をリサーチしてみることです。衝動買いをしてしまう前に一旦立ち止まり、意識的に考えることから始まると思います。

LVRSustainable 2020年サステナビリティの日 - 4

ブランドにとってサステナビリティとは何ですか?
サステナビリティはブランドMoloにとって私たちの生き方であり、将来の世代のためへの社会的責任でもあります。私たちのブランドはGOTS認証 (Ecocert Greenlife認証 197496) を受けており、世界的にみても数少ないGOTS認証のオーガニックブランドです。GOTSはGlobal Organic Textile Standard (グローバルオーガニックテキスタイル基準) の略で、世界で最も認識されているオーガニック繊維製品の国際認証です。GOTS認証は、私たちの製品が認証を受けたオーガニック繊維でつくられていること、生産プロセス全体を通して厳格な社会的および環境的要件を満たしていることを保証しています。

ブランドは持続可能な未来のための責任ある取り組みとして、消費者使用後のリサイクル繊維も使用しています。使用後の廃棄物となってしまうものを新たな資源へと変革させることにより、そのアイテムにセカンドライフを生み出すことができます。またリサイクル繊維の生産は、新たな繊維の生産よりもエネルギーの消費とCO2排出量が少なくなります。

私たちは製品そのものだけにフォーカスしているのではなく、カーボンフットプリントにも意識を向けています。選択や優先順位を決めるよりよい持続可能な解決策のために、ブランドのCO2排出量を計測する新しいプロジェクトをスタートさせようとしています。

ラグジュアリー業界におけるサステナビリティの将来をどう考えていますか?
ラグジュアリー業界のサステナビリティは、この先どんどん重要になってくるでしょう。環境問題を意識した時代の中で育っている次世代の若者たちにとって、サステナビリティは当たり前のことになってくると思います。

個人レベルでは、私たち一人ひとりに何ができるのでしょうか。
サステナビリティはクオリティと再利用という要素にも関係しています。Moloでは、兄から弟へ、友人から友人へと何度もリサイクルできるクオリティの高いキッズウェアを制作し、私たちが住む地球への影響を抑えようとしています。買う回数を減らしてベストなものを購入する。これが、私たち全員ができることだと思っています。

また些細なことですが同時にとても重要なことが、合成繊維でつくられた衣服を特別なファブリックバッグに入れて洗うことです。合成繊維生地をそのまま洗濯すると、マイクロプラスチック粒子が川や海に放出されてしまいます。

LVRSustainable 2020年サステナビリティの日 - 5

ブランドにとってサステナビリティとは何ですか?
Kuboraumは多様性、ブランドらしさ、アイデンティティ、自己表現に倫理的価値を持つブランドです。職人技術はブランドにとって基本です。すべてのアイテムは手作業で制作されており、その多くはさまざまな異なる方法によって生まれるので一点物となります。
私たちは将来的にすべてのサプライチェーンが持続可能になるよう取り組んでいます。現在の私たちのアイテムはすべてmade in Italyであり、サステナビリティに精通した職人たちとパートナーを組んでいます。
また、環境に優しい熱可塑性プラスチックであるバイオアセテートという素材を使用し、品質と環境の両方に配慮した取り組みを行っています。
さらに発送に必要なテープは、世界で唯一の生分解性テープを使用しています。
私たちは環境、気候、次の世代に対して、企業としての責任を積極的に果たし、持続可能な考えや行動でポジティブな変化を推進していきたいという強い思いにかられています。
2019年12月には、Kuboraumは子どもと若者たちのイニシアチブ「Plant-for-the-Planet」に参加しました。大気から放出されたCO²を捕捉する樹木を植えることで、温室効果ガスの年間排出量を相殺し気候中立の実現へとつなげることができます。また気候正義大使として、世界中の子どもと若者たちのエンパワーメントとサポートに取り組んでいます。

ラグジュアリー業界におけるサステナビリティの将来をどう考えていますか?
サステナビリティに取り組むことはラグジュアリー業界の今にとって基本的なことで、未来ではそれが当たり前になることを願っています。
同時に私たちの考え方や創造性、行動も持続可能でなければなりません。
ブランドは、美的観点や技術、イノベーションなど、多くの点においてサステナブルでなければならないと思います。
ラグジュアリーブランドがサステナブルな歴史を持ち、サステナブルなアイデアでモノづくりを行い、サステナブルな方法で生産する未来になってほしいと思います。

個人レベルでは、私たち一人ひとりに何ができるのでしょうか。
この質問がサステナブルな明日への一歩を踏み出していると思います。
一人ひとりが自分自身を厳しく見つめ直し、私たちの行動すべてが意味を持つことを意識し、それぞれが変化していく必要があります。サステナブルに考え、サステナブルな行動を取り、サステナブルになることが大切なのです。

LVRSustainableをチェック

もっと詳しく

A special thank you to Underprotection, Marina Raphael, Molo, and Kuboraum.

あなたへのおすすめ

IP-0A004C07 - 2024-05-05T09:12:52.2171890+02:00